「アニサキスが一番多い魚はイカ」は本当ですか?東京都のデータから分かった、本当に注意すべき魚ランキング|川口・西川口の内視鏡検査|西川口・内科消化器内視鏡クリニック

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「アニサキスが一番多い魚はイカ」は本当ですか?東京都のデータから分かった、本当に注意すべき魚ランキング

「アニサキスが一番多い魚はイカ」は本当ですか?東京都のデータから分かった、本当に注意すべき魚ランキング|川口・西川口の内視鏡検査|西川口・内科消化器内視鏡クリニック

2026年9月24日

「イカはアニサキスが多いから危険」
「サバよりイカの方が危ないって本当?」
「養殖サーモンは安全なの?」

このような質問を患者さんからよく受けます。

実は、「アニサキスが多い魚」と「実際にアニサキス症になる人が多い魚」は同じではありません。

東京都健康安全研究センターでは、市場に流通する魚介類のアニサキス寄生状況を長年調査しています。また、東京都や国立健康危機管理研究機構(IASR)は、アニサキス症患者の原因食品についても解析しています。

これらのデータを見ると、「本当に注意すべき魚」が見えてきます。

今回は、東京都のデータをもとに、アニサキス症の原因となりやすい魚と、安全に刺身を楽しむためのポイントを解説します。

アニサキスは150種類以上の魚介類に寄生している

アニサキスは海産魚介類に寄生する線虫(寄生虫)の幼虫です。

クジラやイルカなどの海洋哺乳類を最終宿主とし、その途中で魚やイカに寄生します。

日本近海では150種類以上の魚介類からアニサキスが見つかっています。

つまり、

「イカだけ」「サバだけ」の問題ではありません。

東京都が1,731尾を調査した結果

東京都健康安全研究センターは平成24年から令和2年までに、

113魚種・1,731尾

を調査しました。

その結果、

48魚種(約42%)

からアニサキスが検出されています。

つまり、市場に流通する魚のかなりの割合でアニサキスが確認されていることになります。

しかし、

「寄生している=人が食中毒になる」

ではありません。

重要なのは、

  • 生で食べるか
  • 筋肉まで移動しているか

です。

東京都の患者データから分かった「本当に注意すべき魚ランキング」

寄生率が高い魚ランキング
東京都健康安全研究センターなどの調査では、アニサキス寄生率が高い魚として次のような魚種が知られています。


寄生率が高い代表魚種
マサバ
ゴマサバ
サンマ
カツオ
イワシ
アジ
キンメダイ
マトウダイ
スケトウダラ
スルメイカ
魚種や漁獲海域、季節によって寄生率は大きく異なりますが、イカだけが特別多いわけではありません。

実際の患者数が多い魚ランキング
東京都や国立健康危機管理研究機構(旧感染研)の報告を総合すると、原因として多い魚種は


第1位 サバ
圧倒的に多く、年間を通じて報告されています。
第2位 イワシ
近年急増しています。
第3位 アジ
刺身・たたきで多く発生します。
第4位 カツオ
黒潮の蛇行など海洋環境の影響で大流行した年もあります。
第5位 サンマ
秋になると増加します。
続いて
ヒラメ
ブリ
イナダ
キンメダイ
などが報告されています。「アニサキスが一番多い魚は何ですか?」

患者さんから最もよく聞かれる質問です。

しかし、本当に重要なのは寄生率ではなく、実際に患者さんが多い魚です。

東京都やIASRの報告をもとにすると、次の魚介類に特に注意が必要です。

サバが圧倒的に多い理由は、

  • 生で食べる機会が多い
  • 魚が死んだ後にアニサキスが内臓から筋肉へ移動しやすい

ためです。

東京都の調査では、マサバの約83%からアニサキスが検出され、さらに約30%では筋肉にも寄生していました。

「イカが一番危険」は本当?

結論から言えば、

必ずしも正しくありません。

スルメイカにもアニサキスは寄生しますが、多くは内臓にいます。

そのため、水揚げ後すぐに内臓を取り除けば、筋肉への移行リスクを減らすことができます。

一方、サバは筋肉への移行率が高く、生食される機会も多いため、患者数はイカよりはるかに多くなります。

つまり、

「イカだから危険」ではなく、「処理が遅れた魚介類を生で食べること」が問題なのです。

養殖サーモンはなぜ安全なの?

完全養殖サーモンは、

  • 人工飼料で育つ
  • オキアミなどの中間宿主を食べない
  • 海洋哺乳類を含む食物連鎖から切り離されている

ため、アニサキスが寄生する可能性は極めて低いことが知られています。

一方、天然サケはアニサキスが寄生していることがあるため、同じ「サーモン」でも区別して考える必要があります。

正露丸はアニサキスに効く?

最近、「正露丸がアニサキスに効くらしい」という話題がネットで取り上げられています。

正露丸の主成分である木クレオソートには、胃腸の運動を調整し、腹痛や下痢を改善する作用があります。

さらに近年、日本の研究グループは、木クレオソートがアニサキス幼虫の運動を抑え、胃粘膜への侵入能力を低下させる可能性を報告しました。

実験では、木クレオソートに曝露した幼虫は運動性が低下し、人工ゲルへの侵入も著しく抑えられました。これは、木クレオソートが幼虫の神経や筋肉の働きに影響を与えている可能性を示唆しています。

ただし、この研究は試験管内(in vitro)での実験が中心であり、人でアニサキス症を治療できることを証明した臨床試験ではありません。

そのため、現時点で日本の診療ガイドラインでは、正露丸は標準治療には位置付けられていません。

激しい胃痛がある場合は、

「正露丸を飲んで様子を見る」のではなく、早めに消化器内科を受診することが大切です。

川口市・西川口で魚を食べた後に激しい腹痛があれば


アニサキス症では、
食後数時間以内(多くは2~8時間)に
突然のみぞおちが痛くなる
冷や汗が出るほど痛い
吐き気
嘔吐
などが出現します。


この場合は胃薬では改善しないことが多く、胃カメラでアニサキスを摘出すると、その場で痛みが劇的に改善するケースがほとんどです。
当院では鎮静剤を使用した苦痛の少ない胃カメラ検査にも対応しています。生魚やイカ、サバ、アジ、イワシなどを食べた後に激しい腹痛が出現した場合は、早めの受診をおすすめします。


「アニサキスが一番多い魚はイカ」というイメージは、現在では必ずしも正しくありません。
現在の食中毒データでは、実際の原因として多いのはサバ、イワシ、アジ、カツオなどの青魚です。一方でイカにもアニサキスは寄生するため、「イカだから安全」と考えるのも誤りです。
大切なのは、「どの魚にもリスクはある」ことを知り、生食時の適切な処理と、食後に激しい腹痛が出現した際には速やかに医療機関を受診することです。

参考文献・出典
厚生労働省「アニサキスによる食中毒を予防しましょう」
東京都保健医療局「魚に寄生するアニサキスは、どのような食中毒を起こすのですか?」
東京都保健医療局「令和7年 東京都食中毒発生状況(確定値)」
国立健康危機管理研究機構(JIHS)「アニサキスとアニサキス食中毒」

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