2026年2月27日

「内視鏡検査(胃カメラ・大腸カメラ)を受けたいけれど、痛そうで怖い…」「以前受けた時に苦しくてトラウマになっている」
そんな不安を抱えて、検査を先延ばしにしていませんか? 結論から申し上げますと、現在の内視鏡検査は「鎮静剤(静脈麻酔)」を適切に使用することで、ほとんど痛みや苦しみを感じることなく、眠っている間に終わらせることが可能です。
本記事では、内視鏡検査が「痛い・苦しい」と言われる理由から、当院が推奨する「眠ったままの検査」の仕組み、メリット・デメリットまで、消化器内科の専門医が詳しく解説します。
なぜ内視鏡検査は「痛い」「苦しい」と感じるのか?
多くの方が抱く内視鏡への恐怖心には、医学的な理由があります。まずはその原因を正しく理解しましょう。
胃カメラ(上部消化管内視鏡検査)の場合
胃カメラの苦しさの主な原因は、喉を通る際の「嘔吐反射(おうとはんしゃ)」です。舌の付け根にスコープが触れることで、「オエッ」となる反応が起こります。これが何度も繰り返されると、喉の痛みや息苦しさを感じてしまいます。
大腸カメラ(下部消化管内視鏡検査)の場合
大腸カメラの痛みは、主に以下の2点から生じます。
- 腸の引き伸ばし: 大腸は曲がりくねっており、スコープを挿入する際に腸が引っ張られたり、複雑なカーブを無理に通過させようとしたりすると、お腹が張るような強い痛みが生じます。
- 空気の注入: 観察精度を上げるために空気(または炭酸ガス)を入れて腸を膨らませますが、これが膨満感や腹痛の原因になります。
苦痛をゼロに近づける「鎮静剤を使用した内視鏡検査」とは
「痛いのは嫌だ」という患者様の声に応えるのが、鎮静剤(静脈麻酔)を用いた内視鏡検査です。
眠ったまま検査が受けられる仕組み
点滴から鎮静剤を注入することで、数秒〜数十秒でウトウトと眠りについたような状態になります。 意識がぼんやり、あるいは完全に眠っている間に検査を行うため、スコープが喉を通る感覚や、大腸を曲がる際の違和感をほとんど感じることがありません。
鎮痛剤と鎮静剤の違い
- 鎮静剤: 意識のレベルを下げ、リラックス・睡眠状態に導く(苦痛の軽減)。
- 鎮痛剤: 痛みそのものをブロックする(痛みの除去)。
当院では、患者様の体格や既往歴、過去の検査経験に合わせて、これらを最適に組み合わせた「オーダーメイドの麻酔管理」を行っています。
鎮静剤を使うメリットとデメリット
鎮静剤の使用には多くのメリットがありますが、知っておくべき注意点もあります。
メリット
- 精神的なストレスが激減する: 「怖い」という恐怖心から解放されます。
- 検査の精度が向上する: 患者様がリラックスしているため、胃や腸の動きが静まり、医師はより細部まで精密に観察・診断を行うことができます。
- 「また受けよう」と思える: 苦痛がなければ、定期的な検診が苦になりません。これは胃がん・大腸がんの早期発見において非常に重要です。
デメリット・注意点
- 検査後の休憩が必要: 薬の効果が切れるまで、院内のリカバリールームで30分程度ほどお休みいただく必要があります。
- 当日の運転は禁止: 自転車、バイク、自動車の運転は、事故のリスクがあるため終日禁止となります。
- 費用がわずかに加算される: 薬剤費用として、保険適用の範囲内で数百円〜数千円の自己負担が増えます。
当院の「痛くない内視鏡」への5つのこだわり
当院では鎮静剤の使用以外にも、患者様の負担を最小限にするための最新技術を導入しています。
① 炭酸ガス(CO2)送気システムの導入
通常、検査時には空気を入れてお腹を膨らませますが、当院では炭酸ガスを使用します。炭酸ガスは空気に比べて約200倍も体内に吸収されやすいため、検査後のお腹の張りや苦しさがスピーディーに解消されます。
② 経鼻内視鏡(鼻から入れる胃カメラ)の選択
「どうしても意識がある状態で検査したい」という方には、鼻から挿入する極細の内視鏡もご用意しています。舌の根元に触れないため、嘔吐反射を大幅に抑えることが可能です。
③ 軸保持短縮法によるスムーズな挿入
大腸カメラにおいては、腸を無理に押さず、畳み込むように進める「軸保持短縮法」という高度な技術を用いています。これにより、腸の伸びによる痛みを最小限に抑えます。
④ 最新のAI内視鏡診断サポート
人間の目だけでなく、AI(人工知能)による病変検出支援システムを併用。微小なポリープや早期がんの見落としを防ぎ、一度の検査で最大限の効果を発揮します。
⑤ リカバリールームの完備
検査後は移動することなく、ベッドに寝たまま移動できるシステムや、プライバシーに配慮した個室感覚の休憩スペースをご用意しています。
検査の流れ:受付から帰宅まで
鎮静剤を使用する場合の一般的な流れをシミュレーションしてみましょう。
- 事前診療: 既往歴やアレルギー、普段飲んでいるお薬の確認をします。
- 前処置(当日): 胃カメラの場合は消泡剤の服用、大腸カメラの場合は下剤による腸の洗浄を行います。
- 検査開始: 検査室で点滴を行い、鎮静剤を注入します。
- 検査(約10分〜30分): 眠っている間に専門医が丁寧に観察します。
- お休み(リカバリー): 目が覚めるまでゆっくりお休みいただきます。
- 結果説明: 画像を見ながら、専門医が詳しく診断結果をお伝えします。
よくある質問(Q&A)
Q. 鎮静剤を使っても、途中で目が覚めることはありますか?
A. 体質により、うっすらと意識が戻ることもありますが、痛みを感じるほどではありません。医師がモニターで状況を確認しながら、適宜薬の量を調整します。
Q. 高齢者でも鎮静剤は使えますか?
A. はい、可能です。ただし、心臓や肺に持病がある方は慎重に判断する必要があります。事前の問診で詳しく伺いますのでご安心ください。
Q. 授乳中ですが、鎮静剤の使用は可能ですか?
A. 薬剤の種類によりますが、一定時間授乳を控えていただくことで検査可能です。
例えば、内視鏡検査で最も多く使用されるミダゾラムという鎮静剤は母乳への移行はごく微量とされており、検査後4時間ほど授乳を控えることが推奨されております。尚、母乳移行が極めて少ない薬剤であれば、授乳中止は不要で、検査後すぐに授乳再開も可能とされております。詳細なスケジュールは医師にご相談ください。
まとめ:早期発見こそが最大のメリット
「内視鏡は痛そうだから」という理由で、せっかくの病気のサインを見逃してしまうのは非常にもったいないことです。 現在のがん治療において、胃がんや大腸がんは早期に発見できれば、内視鏡手術だけで完治(根治)できる可能性が非常に高い病気です。
「眠ったままの検査」を選択肢に入れることで、内視鏡検査のハードルは劇的に下がります。もしあなたが、お腹の不調や検診の異常指摘で悩んでいるなら、まずは一度、当院の専門医外来へご相談ください。
「こんなに楽なら、もっと早く受ければよかった」 そう言っていただけるよう、私たちは最新の技術と真心でサポートいたします。
この記事の監修:西川口・内科消化器内視鏡クリニック 院長 消化器内科専門医 湯原 宏樹
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