【書評】『フルータリアンダイエット(池田悟著)』を読んでみた ④|第2章|川口・西川口の内視鏡検査|西川口・内科消化器内視鏡クリニック

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【書評】『フルータリアンダイエット(池田悟著)』を読んでみた ④|第2章

【書評】『フルータリアンダイエット(池田悟著)』を読んでみた ④|第2章|川口・西川口の内視鏡検査|西川口・内科消化器内視鏡クリニック

2025年5月14日

【書評】『フルータリアンダイエット(池田悟著)』を読んでみた ④|第2章

【果物中心の食事で健康に?フルータリアンダイエットの秘密と人類進化の意外な関係】

私たちが日々食べている食事は、果たして人間の体に本当に合っているのでしょうか?
現代では肉や魚、加工食品、油、砂糖などを当たり前のように摂取していますが、
実は人類の長い歴史から見ると、これらはごく最近になって登場した食べ物なのです。

今回は、「フルータリアンダイエット」という果物中心の食生活について、
人類の進化と食の歴史をたどりながら、私たち人間の「本来あるべき食事」について考えてみましょう。

【人類の祖先は果物が大好きだった!?】

1979年、ジョンズ・ホプキンス大学の人類学者 アラン・ウォーカー博士が行った興味深い研究があります。

博士は化石の歯の表面に残った微小な傷(摩耗痕:まもうこん)を詳細に分析しました。
食べ物の種類によって歯のエナメル質に残る摩耗のパターンが異なるため、
これを調べることで当時の主食が何だったかを推定できるのです。

この研究によれば、
1200万年前の類人猿から約200万年前のホモ・エレクトゥス(原人)まで、
1000万年以上にわたって果物が主要な食べ物だった
ことがわかっています。

【肉食や雑食になったのはつい最近のこと?】

ホモ・エレクトゥスは一部で肉を食べていたことがわかっていますが、
どのくらいの割合で肉を摂っていたかは不明です。

さらに、人類が本格的に雑食(いろいろな食材を食べる)になったのは、
約1万年前の農耕や牧畜の開始以降と考えられています。

つまり、人類の進化の大部分において、祖先たちは果物中心の食生活を送っていた可能性が高いのです。

【現代の食生活は私たちの体に合っていない?】

ここ数百年の間に、人間の食生活は急激に変化しました。

  • 数百年前:油を使った高温調理が一般的に
  • 100年前:精製された砂糖や小麦などが広く普及
  • 現在:加工食品、ファストフード、高脂肪・高糖質な食事が中心

こうした急激な食の変化に対して、
私たちの遺伝子はまだ十分に適応できていないという指摘もあります。

また、現代人の主食とされている「穀物」が、
果たして本当に人間の体に合っているのか、という根本的な疑問も浮かび上がってきます。

【果物こそが“本来の主食”かもしれない】

人類は1200万年の歴史のうち、約1000万年を果物中心の食生活で過ごしてきたとされています。

それに比べて、農耕・牧畜の歴史はわずか1万年
この比較から、果物を主食とする方がヒトの体にとって自然と考えるのも、理にかなっているかもしれません。

現代の食生活を見直すうえで、このような視点は非常に重要です。

【まとめ:あなたも“本来の食事”を少し取り入れてみませんか?】

ここでご紹介した内容は、単なるダイエット法ではありません。
人類の進化と食の歴史から、現代人の食事のあり方を根本から問い直す視点を提供しています。

「フルータリアン(果物だけを食べる人)なんて極端すぎる」と思われるかもしれませんが、
果物の割合を少し増やすだけでも、
体調や健康に良い変化が現れる可能性があります。

著者が指摘するように、1200万年のうち1000万年もヒトは果物を主食にしていたのならば、
果物を食べることはヒトの体に合っているという考えには、非常に強い説得力があります。

さらに最近の日本では米の価格高騰が家計を圧迫しています。
「日本人には米が必要」という固定観念にとらわれず、果物を主食の一部として取り入れることで、
栄養バランスを保ちながら食費の節約にもつながるかもしれません。

季節の国産果物を上手に取り入れることで、健康と家計の両方にメリットがあるのではないでしょうか。

一度、私たち人間の“食の原点”に立ち返って、あなたの食生活を見直してみませんか?

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