
痔核/裂肛(いぼ痔/切れ痔)
痔核/裂肛(いぼ痔/切れ痔)
痔は日本人にとても多い肛門の病気で、大きく以下の3つに分けられます。
この中で最も多いのが「痔核(いぼ痔)」です。
痔核とは、肛門まわりの血流が悪くなり、血管がうっ血してこぶのようにふくらんだ状態を指します。
内痔核の重症度は「Goligher(ゴライヤー)分類」で評価します。
グレード | 痔核の脱出の程度 |
---|---|
1 | 出血などの症状はあっても、痔核の肛門外への脱出はない |
2 | 排便の際に肛門外に脱出してくるが、自然に元に戻る |
3 | 排便時に脱出した後、手で押し戻すことが必要 |
4 | 脱出しっぱなしで、手で押しても元に戻らない |
内痔核は多くの場合、排便時に出血します。
通常は痛みを伴いませんが、「嵌頓痔核(かんとんじかく)」になると強い痛みを伴います。
そのほか、以下の症状も見られます。
痔核の原因としては、以下が考えられています。
便秘や生活習慣が痔核の大きな要因です。
いぼ痔は手術が必要?実は約8割の方が保存的治療で改善します
「いぼ痔=手術しないと治らない」と思っていませんか?
実際には、外科手術が必要になるのは全体の10〜15%程度で、大多数の患者様は生活習慣の改善や薬物療法といった保存的治療で改善が期待できます。
生活習慣の改善(保存的治療)
薬物療法
注射療法(ALTA注射・ジオン注)
ゴム輪結紮療法
外科手術(結紮切除術)
裂肛(切れ痔)は、硬い便や下痢で肛門が切れてしまう病気です。肛門は神経が豊富なため、強い痛みを伴います。
繰り返すと「肛門狭窄」を起こし、便が出にくくなることもあります。
外用薬の使用(痔の軟膏)、排便の調整が基本であり、手術が治療の第一選択ではありません。
薬物療法
便秘治療・生活改善
手術
出血が続く場合は「痔だから大丈夫」と思わずに、必ず受診してください。
軽症であれば数日で改善しますが、再発しやすいため便秘予防が重要です。
出血=痔とは限りません。大腸がんや炎症性腸疾患の可能性もあります。
妊娠中は便秘になりやすく、痔核(いぼ痔)や裂肛(切れ痔)が起こりやすい傾向にあります。
痔核(いぼ痔)や裂肛(切れ痔)はよくある病気ですが、自己判断は禁物です。特に「出血」は痔以外の重大な病気のサインかもしれません。
当院では内視鏡専門医による大腸内視鏡検査を行い、痔と大腸がんなどの病気を正確に区別します。
「痔かもしれない」と思ったら、ぜひお気軽に当院までご相談ください。
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