口臭
口臭

口臭を気にされて来院される方がときどきいらっしゃいます。
「口臭は胃の病気が原因でしょうか?」「内臓が悪いから口臭があるのでしょうか?」といったご相談をよくお受けします。
口臭は、口腔内の細菌が発するガスや食べ物の臭い、さらには胃腸から上がってくるガスなど、さまざまな要因によって発生します。慢性的に口臭が続く場合は注意が必要かもしれません。
口臭の原因の多くは、口腔内にあります。特に歯周病や虫歯、舌苔(舌の汚れ)などが主な要因です。口臭が気になる方は、まず歯科を受診し、適切な治療を受けることが大切です。
しかし、「歯科での治療を終えても口臭が気になる」「舌磨きをしているのに口臭が改善しない」という方は、実は消化器疾患が関係している可能性があります。
朝起きた直後や空腹時、緊張した時に口臭が強くなることがあります。これは唾液の分泌量が減少し、口腔内の細菌が増殖して臭いの原因となるためです。通常は、歯磨きや舌磨き、うがいをすることで改善します。
ニンニク、ネギ、アルコールなど臭いの強い飲食物を摂取した後、一時的に口臭が発生することがあります。これらの臭い成分は胃で消化された後、血液を通じて肺へ送られ、呼気として排出されますが、時間の経過とともに消失します。
自分自身で「強い口臭がある」と思い込むケースで、実際には口臭が発生していないにもかかわらず、不安が原因で口臭を気にしすぎることがあります。
口腔内の問題だけでなく、全身の疾患によって発生する口臭です。
口臭は多くの場合、舌苔や歯周病などの口腔内の問題が原因ですが、実は約10〜20%は消化器や呼吸器、さらには全身の病気に関係しているといわれています。歯科で問題がないにもかかわらず口臭が続く場合は、内科的な病気があるかもしれません。
慢性副鼻腔炎(蓄膿症)、扁桃炎、気管支拡張症、肺感染症などで膿性の口臭が出ることがあります。
糖尿病(ケトン臭)、肝疾患(肝性口臭)、腎不全(尿臭)などの代謝性疾患では、特有の口臭を伴うことがあります。
近年、ピロリ菌感染と口臭の関連が注目されています。
消化器の評価
胃もたれ、胸やけ、胃酸逆流、腹痛などの症状がある場合は、胃カメラ(内視鏡検査)を行います。
ピロリ菌の検査・除菌
胃炎や潰瘍が疑われ、ピロリ菌が検出された場合には除菌治療を実施します。成功すれば胃がんリスクを下げるだけでなく、口臭改善も期待できます。
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