
一般内科・感染症内科
一般内科・感染症内科
当院では、突然起こる急性疾患(咳、喉の痛み、発熱、頭痛、腹痛、めまいなど)から、継続的な管理が必要な慢性疾患(高血圧、糖尿病、脂質異常症、花粉症など)まで、幅広い症状に対応しております。症状の診断から治療まで、総合的な医療サポートをご提供いたします。
「少し体がだるいので診てもらいたい」といった軽い体調不良や、「どの診療科に行けばよいのかわからない」といったお悩み、「受診するほどではないかもしれない」と迷われる場合でも、どうぞお気軽にご相談ください。
急性疾患
慢性疾患
日々の体調不良から、定期的な健康管理まで、お気軽にご相談ください。皆様の健康を支える「かかりつけ医」として、親身にサポートいたします。
胃粘膜にヘリコバクター・ピロリが感染している状態です。
ヘリコバクター・ピロリは、オーストラリアの病理医が胃炎患者の胃粘膜に発見した細菌です。
胃の内部は胃液により強酸性になっているため、従来は細菌が生息できないと考えられていました。現在は、ピロリ菌が様々な胃の病気に関わると考えられています。
ピロリ菌は主に乳幼児期に家族内で感染します。感染しただけでは症状がでませんが、胃や十二指腸の炎症・潰瘍の発生に関わっていると考えられます。
とくに日本では、胃がんになった方の大多数がピロリ菌に感染していたことから、ピロリ菌が引き起こす胃の慢性的な炎症が、がんの発生に関わっていると考えられています。
また、高齢の方ほど感染率が高く、胃MALTリンパ腫や特発性血小板減少性の原因となると考えられています。
尿素呼気試験
空腹時に試薬を飲み、吐いた息の中に含まれる炭酸ガスを測定し、ピロリ菌の持つウレアーゼ活性を測定します。信頼性が高く、除菌の判定に用いられます。
抗ピロリ抗体測定
血液中や尿中のピロリ菌の抗体を測定します。
便中抗原測定
便の中のピロリ菌の抗原を測定します。
培養法
内視鏡検査で胃粘膜を採取・培養し、菌の有無を診断します。
迅速ウレアーゼ試験
内視鏡検査で組織を採取し、ピロリ菌の持つウレアーゼ活性を測定します。
組織鏡検法
内視鏡検査で胃粘膜を採取・染色し、顕微鏡で菌の有無を診断します。
現在、ピロリ菌陽性患者に対する1次除菌および2次除菌不成功例に対する除菌治療については保険適用となっていないため、自費診療となります。
当院では、本件診療のピロリ菌除去治療がまれに不成功に終わった方に、更なる除菌治療を行います。(自費診療)
また、ペニシリンアレルギーの方には、他の抗生剤で除菌治療を行うなど患者さんに適した治療を行います。
プロトンポンプ阻害薬(胃酸を抑える薬)、抗生剤のアモキシシリンに加え、従来の抗生剤よりも強い抗菌活性を示す新たなニューキノロン系抗生剤のシタフロキサシンを用いた3剤併用による3次除菌療法を行っています。
さらに、シタフロキサシンにも耐性を示すピロリ菌に対する3次、4次除菌療法として、リファマイシン系抗菌薬のリファブチンを用いた3剤併用療法を新たに開始しております。このような強力な除菌療法を行うことで、難治性のピロリ菌に対しても高い除菌成功率を達成しています。
クラミジア感染症は、性感染症(STD)の中でも最も多くみられる病気です。
原因は「クラミジア・トラコマティス(Chlamydia trachomatis)」という細菌で、主に性行為を通じて感染します。
感染すると、次のような症状や疾患を引き起こすことがあります。
特に注意すべきなのは、多くの人が無症状のまま感染している点です。
女性では約8割が自覚症状がなく、気づかずに不妊症や子宮外妊娠の原因になることもあります。
部位 | 主な症状 |
---|---|
男性 | 排尿時の違和感、尿道からの分泌物、精巣の腫れ(重症化時) |
女性 | おりものの増加、不正出血、下腹部痛、性交時の痛み |
咽頭 | 違和感、軽い痛み、まれに発熱(多くは無症状) |
直腸 | 軽い下痢や出血、違和感(多くは無症状) |
当院では、保険診療で以下の検査が可能です。
検査には「PCR法(核酸増幅法)」という精度の高い方法を採用しており、
通常2~3日後に結果をお知らせできます。
クラミジア感染症は、抗菌薬(飲み薬)による治療が基本です。
症状がない場合でも、陽性結果が出た場合は必ず治療を受けましょう。
はい。風邪のような症状が続く場合でも、性行為に心当たりがある方はクラミジアや淋菌、HIVなどの検査を検討すべきです。
医師が「必要」と判断した場合、保険適用になります。3割負担で約3,000円が目安です。
通常1〜3週間ほどです。ただし症状が出ないケースが多く、感染時期の特定は難しい場合もあります。
基本的に自然治癒はしません。放置すると不妊や子宮外妊娠のリスクがあるため、必ず治療を受けてください。
はい。自覚症状がなくても感染している可能性があります。必ず検査を受けましょう。
正確には「再感染」の可能性です。治療後にパートナーが未治療だった場合などに再び感染することがあります。
当院ではプライバシーを厳守しています。ご本人の許可なく、家族や職場など第三者に伝わることはありませんのでご安心ください。
このように、クラミジア感染症は「無症状」であることが多く、自覚しにくい感染症です。
感染の可能性がある場合は、早期検査と適切な治療がとても重要です。
ご不安な方は、お気軽に当院までご相談ください。
淋病(淋菌感染症)は、クラミジア感染症と並んで非常に多い性感染症(STD)のひとつです。
原因は「淋菌(Neisseria gonorrhoeae)」という細菌で、性行為によって感染します。
1回の性行為でも30〜40%の高い確率で感染するため、早期の検査と治療がとても重要です。
淋菌は、感染者の粘膜(性器・肛門・のど など)との接触でうつります。
感染するケース
感染しないケース
(ほとんど可能性なし)
※淋菌は体外に出るとすぐに死滅するため、日常生活で感染することはまずありません。
淋病の症状は、感染後2〜5日で現れることが多いですが、症状が軽かったり、無症状のこともあります。
性別 | 主な合併症 |
---|---|
男性 | 精巣上体炎(睾丸の腫れや痛み) |
女性 | 卵管炎、骨盤腹膜炎、不妊、流産・早産・破水の原因に |
男女共通 | 咽頭や肛門への感染(風邪症状、出血など) |
当院では、淋菌感染症に対して保険診療での検査が可能です。
問診の上、症状や感染部位に応じて以下の方法で検査を行います。
主な検査方法
検査のタイミング
感染の可能性がある性行為から24時間以上経過していれば検査可能です。
※治療直後は死滅した菌の遺伝子が検出され「偽陽性」となることもあるため、再検査の時期には注意が必要です。
淋菌感染症は、抗菌薬(抗生物質)の「注射」または「点滴」で治療します。
症状や菌の耐性、体質を考慮し、医師が最適な薬を選びます。
通常は1回の治療で治癒しますが、薬剤耐性菌の増加により、約1〜2割は再治療が必要とされています。
治療後も、体内に死滅した菌の遺伝子が残っているとPCR検査で陽性となることがあります。
はい。無症状でも感染していることがあります。パートナーが陽性だった場合や、心当たりのある性行為があれば検査を受けましょう。
医師が必要と判断した場合、保険診療が可能です。3割負担で約3,000円が目安です。
通常、1回の注射または点滴で治療可能です。ただし、耐性菌や感染部位により複数回の治療が必要になることもあります。
はい。再感染や耐性菌のリスクを考慮し、治療後2週間以上経過してからの再検査をおすすめしています。
梅毒(ばいどく)は、「トレポネーマ・パリダム(Treponema pallidum)」という細菌によって起こる性感染症です。
主に性行為を通じて感染し、放置すると全身に広がる慢性の感染症に進行します。
症状が出ないことも多く、気づかないうちに他の人にうつしてしまう可能性があるため、感染機会があった場合は早めの検査が重要です。
梅毒は、次のような経路で感染します。
主な感染経路
感染しにくい日常的な接触
梅毒は、感染後の経過により以下の4段階の症状があります。
第1期(感染から3週間~3ヶ月)
第2期(感染から3ヶ月~3年)
潜伏梅毒
(無症状だが体内に菌が残る)
晩期梅毒(数年~10年以上経過後)
当院では、梅毒に対して保険診療の範囲で検査を行っています。
症状の有無にかかわらず、心当たりがある方はお気軽にご相談ください。
主な検査方法
2つの検査を組み合わせて診断・経過観察を行います。
検査結果
梅毒検査は、感染機会から6週間以上経過してから受けるのが最も正確です。
これは、検査が体内の「抗体の反応」を見る方式だからです。
検査項目 | 推奨される時期 |
---|---|
梅毒抗体検査(RPR・TP) | 性交渉から6週間以上経過後 |
最短検査可能時期 | 3〜4週間後(※陰性でも否定できない) |
梅毒の治療には抗菌薬を使用します。
症状の時期や進行具合によって、治療法が異なります。
当院での主な治療
治療後に症状が消えても、菌が完全に消えていないこともあるため、RPR値(血液中の活動性の指標)を追跡して治癒を確認します。
感染の可能性がある性行為から6週間以上経過していれば、正確な検査が可能です。
はい。医師が必要と判断した場合は保険診療の対象となり、自己負担は数千円です。
自然治癒はしません。一時的に症状が消えても、体内に菌が残って再発・重症化する恐れがあります。必ず治療を受けましょう。
はい。片方だけが治療しても再感染のリスクがあるため、パートナーの検査と治療も強くおすすめします。
HIV感染症とは、「ヒト免疫不全ウイルス(HIV)」が体内に侵入し、免疫システムを徐々に破壊していく病気です。
感染が進行すると免疫力が極端に低下し、さまざまな感染症やがんを引き起こす「AIDS(エイズ:後天性免疫不全症候群)」の状態になります。
HIVは早期発見と適切な治療により、発症を防ぎながら健康的な生活を送ることが可能です。
感染の不安がある場合は、早めの検査をおすすめします。
HIVは「感染者の体液」を通して感染します。
以下の行為が主な感染経路です。
主な感染経路
感染しない行為(ご安心ください)
HIVは体外に出ると非常に弱いため、空気や水、日常的な接触では感染しません。
家庭内や職場で感染が広がることはありませんので、過度な心配は不要です。
HIVに感染しても、多くの人はしばらく無症状で経過します。
しかし、感染から1〜4週間後に一時的な「急性HIV感染症」が現れることがあります。
これらの症状は自然に軽快することが多く、風邪や疲れと勘違いされやすいため注意が必要です。
その後、数年〜10年以上の「無症候期(潜伏期)」を経て、免疫が大きく低下していきます。
HIV感染の有無は、血液検査で「抗体」や「ウイルス抗原」を調べることで確認できます。
当院では、保険診療に基づいたHIV検査を実施しています。
HIVに感染しても、すぐには検査で陽性になりません。
この「感染から抗体や抗原が検出されるまでの期間」をウインドウピリオドと呼びます。
状況 | 推奨される検査時期 |
---|---|
感染の可能性がある行為から | 4~6週間後が最も確実 |
より早期に調べたい場合 | 2~3週間後に抗原検査(ただし陰性でも確定できないため再検査が必要) |
検査のタイミングを誤ると、「偽陰性(本当は感染しているのに陰性と出る)」になる可能性があります。
不安な方は、早期検査+数週間後の再検査を組み合わせることをおすすめします。
いいえ。当院では個人情報の保護と守秘義務を徹底しています。
ご本人の許可なしに、家族や職場に知られることは絶対にありません。
現在の医学では完治は難しいですが、「抗HIV薬(ART)」によりウイルスを限りなく抑えることができます。
適切に治療すれば、発症を防ぎながら健康的な生活を続けられます。
適切な治療を受けていれば、母子感染のリスクを極めて低く抑えることが可能です。
妊娠を希望される場合は、早めに医師へご相談ください。
最も信頼性が高いのは「感染の可能性がある日から4~6週間後」です。
より早期に調べたい場合でも、後日の再検査を併用することが推奨されます。
HIVは「感染=死」という時代は終わり、今では治療可能な慢性疾患と考えられています。
しかし、早期に発見して治療を開始することが、健康を守るうえで非常に重要です。
感染の不安がある方は、どうかひとりで悩まず、気軽にご相談ください。
当院では、プライバシーを尊重しながら、丁寧に対応いたします。
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